株式会社キュライオとの共同研究実施に向けた覚書締結のお知らせ

Veneno Technologies株式会社は、クライオ電子顕微鏡によるタンパク質の3次元構造解析において優れた解析技術を有する株式会社キュライオ(代表取締役CEO:中井基樹、本社:東京都新宿区、以下「キュライオ社」)との間で、共同研究実施に向けた覚書を締結しましたのでお知らせいたします。

両社は、キュライオ社が有する高度なクライオ電子顕微鏡を用いた構造解析に関するプラットフォーム技術と、当社が有する膜貫通タンパク質を標的としたジスルフィドリッチペプチド(DRP)高速スクリーニング技術PERISS™を組み合わせることにより、DRP創薬ならびにヒットペプチド化合物に基づく次世代低分子創薬において、従来の手法では創薬が難しいとされてきた領域での創薬ターゲットの拡大、および研究開発効率の向上を目指します。

クライオ電子顕微鏡を用いた構造解析技術は、生体分子の立体構造解析において、現在最も優れた技術の一つです。このクライオ電子顕微鏡によって、創薬ターゲットとペプチドの複合体を可視化することにより、それらの相互作用に関する重要な情報が得られ、合理的なペプチド創薬を行うことが可能になると考えられます。クライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析はこの数年で大きく発展した手法で、タンパク質の結晶化を必要とせず、水溶液中での構造が得られるなどの大きな利点があります。一方、電子顕微鏡の操作や測定、解析には研究者のスキルや経験や勘に依存する要素が多く、効率性のバラつきに課題があります。キュライオ社は、クライオ電子顕微鏡測定のための試料調製やグリッド作成、3次元構造解析に独自の技術を有しており、単粒子解析における従来の課題を解決するとともに、難易度の高いタンパク質やタンパク質超分子複合体の構造解析を可能にしています。

【Veneno Technologies株式会社 代表取締役社長 吉川寿徳のコメント】

「この度、キュライオ社との共同研究に向けた取り組みに、とても興奮しております。近年急激に注目が高まっているクライオ電子顕微鏡による構造解析の手法を用いることで、新たな機能性ペプチドとしてDRPの特性が解明され、DRPを基盤とする創薬が加速するとともに、膜タンパク質科学の進展にも貢献できるものと大いに期待しています。」

【株式会社キュライオ 代表取締役CEO 中井基樹のコメント】

「今回、素晴らしい技術を持つVeneno社との共同研究契約に向けた合意ができたことを大変嬉しく思っています。Veneno社とキュライオが持つ技術を掛け合わせることで、新たな創薬の可能性へ挑戦できると感じています。」

株式会社キュライオについて

株式会社キュライオは、2019年にクライオ電子顕微鏡による構造解析技術に特化した企業として2019年8月に設立されました。現在は構造解析ベース創薬(Structure-Based Drug Discovery)事業を展開し、独自の解析ノウハウを用いた世界最高水準の構造解析精度が強みです。会社理念である「科学の力で、より安心で健康な人生の実現へ」を達成するために、人々に画期的新薬を提供する事を使命とし、製薬会社や大学研究室との共同研究も積極的に取り組んでいます。

この記事を書いた人